スポンサーサイト
残高無視計算(ゼロ計算)はどうやって争うべきか?
Q.残高無視計算(ゼロ計算)はどうやって争うべきか?
A.取引が,取引履歴冒頭記載の日付よりも5年から7年程度以上前から行われていたことを立証することが最も重要となってくる。場合によっては,契約条件や返済金額などについてもある程度の立証が必要となる場合がある。
残高無視計算(ゼロ計算)
貸金業者が取引履歴を取引の途中からしか開示してこない場合に,その取引履歴の冒頭に記載されている残高を無視し,冒頭残高を0円として引き直し計算をすることを,「残高無視計算(ゼロ計算)」といいます。
このゼロ計算は,実際の裁判では,冒頭残高が0円であると推定することができるかどうかの問題であると考えられています。したがって,消費者の方で,冒頭残高が0円と推定できるという根拠を示さなければならないということになります。
冒頭残高が0円と推定されることの立証
前記のとおり,冒頭残高が0円であると推定することができることの根拠は,消費者の側で立証しなければならないという場合が大半です。
そこで,その立証方法を検討する必要があります。
立証において最も重要なことは,いつの時点から取引を開始したのかという点です。
一般的にいって,利息制限法所定の制限利率を超える利息を支払いながら貸金業者と取引をしていた場合,だいたい5年から7年ほどで,約定の残高は0円(または過払い)となると考えられています。
したがって,取引履歴の冒頭に記載されている日付よりもが5年から7年程度以前から開始されていることを明らかにできれば,冒頭残高が0円となっている可能性が高いということを推定させる重要な事実ということになるでしょう。
具体的にいえば,契約書,領収書,請求書または取引における貸金や返済が記載されている銀行預金の通帳の履歴などを証拠として提出し,5年から7年以上前に取引をしていたことを立証することになるでしょう。
もちろん,取引開始時期だけでは,冒頭残高が0円であったとはいえません。それまでにどのような取引がなされていたのかということも,ある程度立証する必要があるでしょう。
この点については,可能であれば,どのような取引であったのかという証拠,特に毎月どのくらい返済していたのかという証拠があれば,より説得力が増すでしょう。
どのような契約条件であったのかを証明するために,契約書などがあればなおさら有効です。
以上のような立証が可能であれば,裁判においても残高無視計算が認められる可能性は高いといえます。
もっとも,そのようにさまざまな証拠がない場合でも,5年から7年以上前に取引があったことを立証できれば,それだけで残高無視計算が認められるという場合もあります。
ゼロ計算はあくまで「推定」です。したがって,冒頭残高が0円となることについて完全に立証する必要まではありません。0円と推定できるだけの根拠をいくつか示すことが可能であれば,0計算は認められることが少なくないでしょう。
債務整理・過払金に関するサイトのお知らせ
東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所において,債務整理と過払い金に関する専門サイトを作成いたしました。まだ,作成途中ですが,よろしければご覧ください。
徐々に,このサイトや姉妹ブログなどの記事も更新しつつ,以下のサイトに移転させていこうかと思っています。(このブログ自体は残しますが)。
- 債務整理・過払い金ネット相談室 :ポータルサイト
- 債務整理・過払い金ブログ相談室 :基本用語の説明や最新情報
- 債務整理・過払い金返還請求BOOK :フェイスブックページ
- 債務整理・過払い金返還請求プラス :Google+ページ
- 債務整理・過払い金返還請求mixi相談室 :mixiページ
メールマガジンもあります。よろしければご登録ください(週1回程度更新です。)
FC2ノウハウ
ゼロ計算(残高無視計算)の立証責任の問題とは?
Q.ゼロ計算(残高無視計算)の立証責任の問題とは?
A.一部開示の取引履歴の冒頭残高について,その残高を貸金業者が立証しなければならないとするか,それとも冒頭残高が0円であることの根拠を消費者側が立証しなければならないかという問題のことである。
ゼロ計算(残高無視計算)
ゼロ計算(残高無視計算)とは,取引履歴が一部しか開示されない場合に,その一部開示の取引履歴の冒頭部分に記載のある借入残高を0円として(つまり,取引履歴記載の冒頭残高の記載を無視して),その他の記載だけをもとに引き直し計算を行うことをいいます。
例えば,本当は平成元年1月1日から取引をしていたにもかかわらず,貸金業者からは平成5年1月1日からしか取引履歴が開示されなかったとします。この場合,平成元年1月1日から平成4年12月31日までの取引経過は開示されていませんから,取引履歴の冒頭部分には,平成5年1月1日時点での残高●●円というように,その日に借入れをしていなくても,取引履歴の最初からいきなり残高があるという形になってしまっています。
ゼロ計算とは,つまり,この一部開示の取引履歴の冒頭残高,上記の例で言えば,平成5年1月1日時点での残高●●円を無視して(0円にして)引き直し計算をしようというものです。
ゼロ計算の立証責任
このゼロ計算をめぐっては,冒頭残高の立証責任が消費者側と貸金業者側のどちらにあるのかという点で争いがあります。
貸金業者には取引履歴の開示義務があります。それにもかかわらず,全部の取引履歴を開示しないのですから,貸金業者に非があるといえますし,消費者に立証責任を課すことは貸金業者に取引履歴開示義務を認めた趣旨に沿いません。
また,通常の貸金請求の場合ですと,貸金請求権があることの主張立証は貸金業者がしなければなりません。一部開示の取引履歴の冒頭残高とは,まさにこの貸金請求権の主張に等しいものですから,これの立証責任を消費者に課すことは,貸金請求権の立証責任をも消費者に課すことになってしまいます。
さらに,上記冒頭残高は,あくまで約定の残高です。利息制限法所定の制限利率を超える利率での契約であった場合,その約定残高が法律上正しいものではないことは明らかです。したがって,裁判所は,その法律上正しくない冒頭残高の金額を前提とした引き直し計算の結果を認定することはできないはずなのです。それをしてしまえば,裁判所が違法な約定残高を認めてしまうのに等しいからです。
以上のように考えるならば,やはり冒頭残高の立証責任は貸金業者にあるというべきでしょう。そして,仮に貸金業者でそれを立証できないならば冒頭残高を認定できませんので,結局,冒頭残高は無かった,つまり0円であるということになるはずです。ゼロ計算はそういう考え方を前提としています。
他方,消費者側に冒頭残高を0円とすることの立証責任を課すという考え方もあります。
冒頭残高を0円とすることについて,冒頭残高を「無視する」のではなく,「0円と推定する」という考え方です。
冒頭残高を0円であると推定すると考える以上,冒頭残高は0円であると主張する消費者の方で,その0円と推定する根拠を立証しなければならないということになります。
実務上の取扱い
裁判例には,冒頭残高の立証責任について,貸金業者に立証責任があるとしたものと消費者に0円と推定することの立証責任があるとしたもののいずれもがあります。しかし,残念ながら,多くの裁判官は,0円と推定することの根拠を消費者が立証しなければならないという考え方をとっています。
そのため,単に冒頭残高の立証責任は貸金業者側にあると主張するだけでは,ゼロ計算は認められない場合が多いでしょう。したがって,実務上は,消費者側において0円と推定することの根拠を立証していかなければならない場合が多いと思われます。
もっとも,前記のとおり,立証責任を消費者側にあるとすることについては,貸金業者の取引履歴開示義務や貸金請求権の主張立証責任などとの整合性,約定残高を前提とした引き直し計算の結果を認定できるのかなどの問題もあります。
そこで,実際には,冒頭残高を0円と推定することの立証責任が消費者にあるとしつつも,一部開示の取引履歴の冒頭の取引日よりも数年前から取引があったことを示す資料(契約書,領収書,請求書,預金口座の履歴など)が一部でも残っていれば,貸金業者から合理的な反論がなされない限り,0円と推定することの立証がなされたものとして取り扱われることが多いでしょう。
ゼロ計算(残高無視計算)とは?
Q.ゼロ計算(残高無視計算)とは?
A.取引履歴が一部しか開示されない場合に,その一部開示の取引履歴の冒頭部分に記載のある借入残高を0円として(つまり,取引履歴記載の冒頭残高の記載を無視して),その他の記載だけをもとに引き直し計算を行うことをいう。
ゼロ計算(残高無視計算)
以前に説明したように,引き直し計算をするには貸金業者から取引履歴の開示を受ける必要がありますが,それが十分に開示されなかった場合には,その他の資料や証拠,記憶などから取引の経過を推定して引き直し計算を行う「推定計算」が用いられます。
この推定計算には,2つのパターンがあります。
1つは,一般的な推定計算です。上記のように,残っている契約書や領収書,銀行預金口座の入出金履歴,過去の記憶などから取引の経過を推定して推定の取引履歴を作り,それを引き直し計算するという方法です。
ある意味純粋な推定計算の方法ですが,この方法だと,それなりに証拠となる資料が多くなければなりませんし,過去の記憶もそれなりに詳細なものが求められることになります。
しかし,実際には,それほど多くの証拠資料が残っているという場合ばかりではありませんし,記憶もそこまで詳細なほどに残っているかといえば,個々の取引の詳細な記憶など残っていないというのが普通だと思います。
そこで,0計算(残高無視計算)という方法が用いられる場合があります。
この方法は,貸金業者からの取引履歴が一部しか開示されなかった場合にしか使うことができません。つまり,取引履歴がまったく開示されていないような場合には使えないということです。
どういう方法かというと,取引履歴が一部しか開示されなかったという場合,だいたいは,その一部開示の取引履歴は,約定の残高があるものとして始まっています。
例えば,一部開示された取引履歴が平成10年4月1日から始まっているものだとした場合,すでにその4月1日の時点までに100万円の残高が残っている,というように記載されているということです。
一部開示ですから,平成10年3月31日以前の取引がどのようにされてきた結果,残高が100万円になっているのかは分かりませんが,ともかく,4月1日時点では借入残高が100万円ありました,というような取引履歴になっているのです。
0計算とは,この一部開示の取引履歴の冒頭部分の借入残高を0円としてしまうという方法です。上記の例でいえば,冒頭の100万円という借入残高を0円として,引き直し計算をしていくということになります。
ゼロ計算の意義
前記のとおり,0計算とは,取引履歴が一部しか開示されない場合に,その一部開示の取引履歴の冒頭部分に記載のある借入残高を0円として(つまり,取引履歴記載の冒頭残高の記載を無視して),その他の記載だけをもとに引き直し計算を行うという手法です。残高無視計算といわれることもあります。
0計算は,一部とはいえ取引履歴が開示されていることを前提としていますから,取引履歴がまったく開示されていないという場合には使えません。
しかし,ゼロ計算は,当初残高を0円とするというだけの方法ですから,通常の完全推定計算よりもはるかに簡単です。完全な推定ができるほどの資料がない場合や記憶が残っていないという場合でも0計算は可能ですので,有効な方法だと思います。
ただし,実際の裁判では,0計算も推定計算の一種であるとして,ある程度の主張立証が求められることは事実です(なお,0計算を推定計算の一種であるとみるかどうかについては議論があるところですが,実際の裁判では推定の一種と捉えられてしまう場合が大半です。)。したがって,ある程度の証拠は必要となってきますが,完全な推定計算ほどの証拠は必要とされません。
貸金業者から一部しか取引履歴が開示されなかったが,実際にはもっと古くから取引をしていたという場合には,仮に完全推定ができるほどの証拠や記憶がなかったとしても諦めずに,この0計算(残高無視計算)も検討してみてよるべきでしょう。
引き直し計算代行サービスのご案内
引き直し計算代行サービス
債務整理共通のデメリットとして,信用情報機関の事故情報(いわゆるブラックリスト)に登録されるというものがあります。ブラックリストに登録されると,一定の期間,新規の借入れやクレジットカード等の利用ができなくなります。
他方,形式上は借金が残っていたとしても,引き直し計算の結果,過払いとなっていた場合には,ブラックリストに登録されることはありません。
つまり,ブラックリストに登録されるかどうかは,引き直し計算をしてみて,借金の残高が残っているか,過払いとなっているか,を確認してみてはじめて分かるということです。
そのため,これまでも,債務整理を始める前(弁護士が受任通知を債権者に送付する前)に引き直し計算をして,ブラックリストに登録されるのかどうかをあらかじめ確認しておきたいというニーズがありました。
そこで,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所では,上記ニーズにお応えするため,貸金業者から開示された取引履歴をお持ちいただいた場合に引き直し計算を行う,引き直し計算代行サービス(1通につき1050円)を始めました。
引き直し計算代行サービスの利用条件
引き直し計算代行サービスのご利用は,以下の場合に可能となります。
- 債務整理・過払い金返還請求のご依頼を前提とされている方
- ご自身で貸金業者から取引履歴をお取り寄せいただける方
- 当事務所までご来訪いただける方
- ブラックリストに登録されると不利益を受けるという合理的理由のある方(単に借金ができなくなるからというだけの理由は含まれません。具体的な理由が必要となります。)
- 複数の業者からの借入れがあるが,特定の業者についてのみ引き直し代行を依頼するという場合には,当該ご依頼の業者以外について債務整理を行わなくても返済に支障がないと認められる方のみ
お気軽にお問い合わせください。
→ 詳しくは引き直し計算代行サービスのご案内をご覧ください。
平成23年9月3日(土)債務整理・過払い金無料相談のご案内
現在,空いている時間帯は以下のとおりです。
•午前10時30分から
•午前12時30分から
•午後5時から
※ ご予約のお電話を頂いた際に,借金の状況や財産状況などを前もってお伺いする場合がございます。あらかじめご了承ください。
→ 9月3日(土)無料相談について詳しくはこちらから
SFコーポレーション破産のお知らせ
これまでも,たびたび過払い債権者から破産申立てをされてきたSFコーポレーションですが,今回は同社自身による自己破産の申立てです。
同社に対して過払い金返還請求を行っている方や同社の債務について債務整理を行っている方は,今後の手続について注意しておくべきでしょう。
推定計算のためにはどのような証拠が必要となるか?(完全推定の場合)
Q.推定計算のためにはどのような証拠が必要となるか?(完全推定の場合)
A.貸金業者との契約書,各種明細,領収書,あるいは預貯金口座履歴などがあると有力である。また,本人の陳述をまとめた陳述書も証拠となる場合がある。
推定計算
貸金業者が取引履歴の全部または一部を開示してこない場合,その不開示部分につき,消費者側で取引の経過を再現しなければならなくなります。
全部を開示してこない貸金業者というのはかなり減少していると思いますが,一部は廃棄してしまったなどの理由を言って,一部を不開示とする貸金業者は今でも少なくありません。
とはいえ,1つ1つの貸し借りの記録をとっておくことなどほとんど考えられません。そもそも,貸金業者との取引の態様自体が,1つ1つの貸し借りを重視しない態様であるのですから,当然と言えば当然です。
しかし,いざ債務整理をする場合または過払金返還請求をする場合には,そうもいっていられません。貸金業者が開示をしない以上,現実的には,消費者側で取引経過を再現しなければなりません。
そこで,厳密に1つ1つの取引を再現することは難しいという現実を踏まえ,ある程度,推定によって取引経過を再現し,それに基づいて引き直し計算をする「推定計算」という手法が用いられています。
推定計算には,不開示部分の取引の経過を純粋に再現しようというものですが,さらに,推定計算の一種として,一部不開示の場合に,取引履歴の当初の残高を0円とする又は無視して計算する残高無視計算(0計算
)という推定方法もあります(なお,残高無視計算については,推定の一種では無いという考え方もあります。私もその考え方が正しいと思っていますが,裁判実務上は推定の一種と捉えらてしまうのが一般的です。)。
推定計算の証拠
推定計算はあくまで推定です。したがって,推定の根拠を示さなければ,貸金業者も納得しないでしょうし,過払金返還請求の場合には裁判所も認定ができないということはあるでしょう。
そこで,推定の根拠,すなわち証拠が必要となってきます。
特に残高無視計算では無い,純粋な推定計算の場合には,できる限り,個々の取引の参考となるような証拠を提示する必要があります。
貸金業者との取引において交付された書類は有力です。特に契約書は大変参考になります。貸付金額,利率,毎月の支払日,支払金額等が記載されていますので,取引を再現するのに役立ちます。
また,貸金業所から交付された領収書やATM取引明細書も,個々の取引の日付や支払い金額等の情報が記載されていますので,それを基にして他の取引を推定することが可能となります。
決定的な証拠となる場合が多いのは,銀行の通帳や口座の取引履歴などです。仮に,貸金業者との間の貸し借りを銀行振り込みで行っていた場合,貸し借りの記録が逐一記録されているのですから,取引履歴そのものを再現することも可能となりますし,そうでなくとも,かなり推定が可能となるでしょう。
しかし,そうはいっても,上記のような各書類が見当たらないという場合は少なくないでしょう。
その場合には,消費者ご本人の陳述をまとめた陳述書を作成することになります。要するに,いつころに契約して借入れを開始し,利率はこのくらいで,毎月いくらくらい支払っており,このころに借り増しをし,いくらくらい支払っていた・・・などを文書にまとめておくということです。
裁判でも,陳述書は一応の証拠になります。さらに,その陳述書の内容を裏付けるような補助証拠が提出出来れば,さらに陳述書の内容の信用性を担保することができ,裁判所も心証をとりやすくなります。
例えば,子どもが私立学校に入学したため入学資金〇〇円を支払いきれなかったので,〇〇から〇〇円を借りたというような場合,子どもの年齢や入学した学校,その入学資金,それを支払った記録などが用意できれば,陳述に信用性があると認められることもあります。
全然覚えていないからもういいです・・・はできれば避けたいところです。これをしっかりやれば,大幅に借金の減額に成功したり,多くの過払い金の返還を請求できることになり,債務整理に非常に助けになることは間違いありません。









