グレーゾーン金利は撤廃されるのか?
Q.グレーゾーン金利は,撤廃されるのか?
A.平成21年12月ころを目処として撤廃される予定である。
グレーゾーン金利・みなし弁済の撤廃へ・・・
平成18年12月,多重債務問題の抜本的な解決のための法改正がなされました。 それを皮切りに様々な改正が予定されています。
その要は,何と言っても「グレーゾーン金利」の撤廃でしょう。 それに伴い,「みなし弁済」も廃止されます。
まず,貸金業規制法が改正され,「貸金業法」となりました。 そして,みなし弁済が廃止されます。 したがって,利息制限法の制限利率を超える利息は,どんな理由があろうとすべて無効ということになります。
加えて,出資法の上限金利も引き下げられます。 これまで出資法の上限金利は29.2%でした。 これが,20%にまで引き下げられます。 つまり,利息制限法の制限利率とほぼ同じになるわけです。
これらによって,グレーゾーンはほぼなくなります。 利息制限法の制限利率を超える利息は,すべて無効。 のみならず,行政処分や刑罰も科せられる,ということになるのです。
ちょっとしたグレーゾーン金利・・・
なお,お気づきかもしれませんが,グレーゾーンは完全になくなったわけではありません。
利息制限法は,元本金額に応じて制限利率が違います。 元本10万以上100万円未満の場合の制限利率は18%,元本100万円以上の場合の制限利率は15%です。
そうすると,出資法上限金利が20%となっても,元本10万円以上の場合には,18%から20%までの間に,また若干のグレーゾーンが残っていることになります。
しかし,このちょっとしたグレーゾーンにもケアがあります。 今後,利息制限法違反はすべて行政処分の対象となるのです。 つまり,刑罰とまではいかないが,行政処分の対象となるのです。
行政処分と言っても,貸金業者には結構な打撃です。 営業停止処分や業務登録取消など相当厳しいものもあるのです。 もしかしたら,罰金よりも威嚇力があるかもしれません。
そういう意味で,グレーゾーン金利は撤廃されると言ってよいのではないでしょうか。
まとめると・・・
年利109.5パーセントを超える利息契約をした場合
→ 10年以下の懲役,3000万0000円以下の罰金,又はその両方
行政処分の対象にもなる
年利20パーセントを超える利息契約をした場合
→ 5年以下の懲役,1000万0000円以下の罰金,又はその両方
行政処分の対象にもなる
元本が10万0000円以上100万0000円未満の場合で,
年利18パーセントを超えるが20パーセント以下の利息の契約をした場合
→ 刑罰はないが行政処分の対象
元本が100万0000円以上の場合で,
年利15パーセントを超えるが20パーセント以下の利息の契約をした場合
→ 刑罰はないが行政処分の対象
グレーゾーン金利撤廃の時期・・・
なお,このグレーゾーン金利撤廃はいつになるかというと,平成21年12月ころまでには実現されるとされています。
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グレーゾーン金利とは?
Q.グレーゾーン金利とは?
A.利息制限法所定の制限利率(元本金額によって15〜20パーセント)は超えるが,「出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律(出資法)」によって刑罰の対象となる上限利率(貸金業者の場合29.2パーセントから)は超えない利率の利息のことをいう。
出資法と利息制限法・・・
利息制限法には刑罰規定がありません。 金利の刑事的な規制は出資法に規定されています。
その出資法によると,上限金利は・・・
貸金業者以外の貸付の場合
→ 年利109.5パーセントを超えた場合
「5年以下の懲役,1000万0000円以下の罰金,又はその両方」
貸金業者の場合
→ 年利29.2パーセントを超えた場合
「5年以下の懲役,1000万0000円以下の罰金,又はその両方」
→ 年利109.5パーセントを超えた場合
「10年以下の懲役,3000万0000円以下の罰金,又はその両方」
これに対し,利息制限法の制限利率は・・・
元本が10万0000円未満の場合
→ 利率は年2割(年利20パーセント)まで
元本が10万0000円以上100万0000円未満の場合
→ 利率は年1割8分(年利18パーセント)まで
元本が100万0000円以上の場合
→ 利率は年1割5分(年利15パーセント)まで
グレーゾーン金利とは・・・
上記のとおり,利息制限法上,元本金額にもよりますが,15〜20パーセント以上の利率をとることは利息制限法違反となります。
他方,出資法によれば,貸金業者の場合,29.2パーセントを超える利率の利息は出資法違反となり,処罰の対象となります。
これによると,利息制限法の制限利率(15〜20%)から出資法の上限利率(29.2%)までの間に間隔ができていることが分かります。 つまり,利息制限法には違反するが,出資法には違反しない利率が出来ているのです。
上記のとおり,出資法の上限利率を超えない限り,利息制限法に違反しても処罰はされませんから,この利息制限法の制限利率から出資法の上限金利の間の利率の利息をとっても処罰されることはありません。
このような「利息制限法には違反するが出資法には違反しないため処罰を受けない利率」のことを「グレーゾーン金利」といいます。
違法なのに処罰は受けない,黒なのか白なのか分からない・・・ まさに「灰色」の領域です。 そのため,グレーゾーン金利などと呼ばれているのです。
グレーゾーン金利による被害の拡大・・・
利息制限法には「みなし弁済」と呼ばれる制度があります。 すなわち,簡単に言うと,制限超過利息であっても,支払う人が「任意に」支払ったなら,それは有効な支払いだとする制度です。
支払う人は,制限超過利息かどうかなど通常は知りません。 例え制限超過利率であっても,貸金業者から請求されたら,支払ってしまうに決まっています。
しかし,支払ってしまうとみなし弁済の適用により,その支払いが有効なものとされてしまいます。 しかも,グレーゾーン金利ですから,処罰もできません。
グレーゾーン金利という法律の抜け穴と,このみなし弁済の濫用によって,消費者金融等によるグレーゾーン金利被害は,どんどんと拡大していってしまったのです。
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