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利息制限法に違反した場合どうなるのか?

2009年08月20日

Q.利息制限法に違反した場合どうなるのか?


A1.利息の契約及び債務不履行による賠償額の予定のうち利息制限法所定の制限超過部分は,絶対的に無効となる。 そして,貸主がすでに制限超過部分に相当する金銭を受領していた場合には,制限超過部分は残存元本に充当される。 さらに,この元本充当により計算上元本が完済となった時以後に支払った金銭(過払金)は,不当利得として返還を請求することができる。

A2.行政処分の対象となる。 また,年利20%を超え109.5%以下の利率の利息の契約を締結した場合,5年以下の懲役もしくは1000万0000円以下の罰金,またはこの両方の刑罰を科せられる。 年利109.5%を超える利率の利息の契約を締結した場合には,10年以下の懲役もしくは3000万0000円以下の罰金,またはこの両方の刑罰を科せられる。



利息制限法違反の3つの問題・・・


利息制限法に違反した場合,3つの問題があります。


1つは,民事上にどうなるかという問題です。 要するに,借金の金銭的な処理をどうするのかという問題です。


2つ目は,刑事上どうなるかという問題です。 これは刑事処分,つまり利息制限法に違反した業者を犯罪者として刑罰を科すべきかどうかという問題です。


3つ目は,行政上どうなるかという問題です。 利息制限法に違反した業者を,行政的にどのように取り締まっていくのかという問題です。


以下は,民事上の問題とその他の問題に分けてお話します。



民事上の問題・・・


まず,民事上どうなるのかについてですが,利息の契約債務不履行による賠償額の予定のうち,制限超過部分は絶対的に無効となります。


絶対的に無効とは,誰でも,誰に対しても,いつでも,どんな場合でも,理由を問わず無効を主張できるという意味です。


ただし,利息契約・賠償額予定全部が無効となるわけではありません。 制限超過部分のみが無効となるのです。


無効となるということは,制限超過部分の取決めは無かったことになります。 したがって,貸主の方が,その部分に相当する金銭を受け取っていた場合には,取決めもないのに,理由なく金銭を受け取っていたということになります。


そのため,この金銭は,貸主が持っていることはできないはずです。 そこで,この制限超過部分の金銭は,まず元本に充当されます。 簡単に言うと,元本に対して支払いをしたことにする,ということです。


さらに,元本に充当してもなお余りがある場合には,逆に貸主に対して,余った分を返せと言うことができます。 これが一般に言う「過払金(過払い金)」です。 法的には,「不当利得返還請求権」と言います。


例えば,元本100万円を年利30%で借りたとします。 これを1年間で,元本50万円,利息30万円を返済したとします。 そうすると,形式上,借金は50万円残っているように見えます。


しかし,利息制限法の制限利率は年利15%までです。 したがって,利息のうち15万円は払いすぎということになります。


そこで,この払いすぎた15万円は元本に充当されます。 つまり,支払った元本50万円にこの15万円を加えて,合計で元本は65万円支払ったという扱いになるのです。 その結果,残った借金は元本35万円だけになります。


仮に,返済したのが元本90万円,利息30万円だったらどうでしょう。 この場合,まず,利息のうち15万円は払いすぎなので,残元本に充当されます。


しかし,残元本は10万円です。 この10万円に払いすぎた15万円を全部充当しても,まだ5万円が余ります。 これが「過払金」です。 つまり,この5万円は返還を請求することができるのです。



刑事・行政上の問題・・・


次に,刑事・行政上どうなるのかについてですが,今のところ,利息制限法の制限利率を超える利息であっても,出資法の上限金利である年利29.2%を超えない限り,刑罰の適用はありません。 いわゆるグレーゾーン金利と呼ばれるものです。


このグレーゾーン金利で利息を取っていたとしても,刑罰が科されないばかりか,よほど悪質な取立てなどをしない限り,行政処分もほとんどなされないのが現状です。


しかし,今後は違います。 今後,平成22年までには貸金三法が改正されていく予定です。 それにより,金利規制も相当厳しくなっていきます。


まず,利息制限法違反の利息の契約を締結した場合等は,貸金業法によって,原則として行政処分の対象となります。 営業停止や登録の取消などかなり厳しい処分が下されるのです。


さらに,出資法の上限金利が20%にまで引き下げられます。 その結果,年利20%を超える利息の契約を締結した場合等は,行政処分のみならず,刑罰の適用をも受けることになります。 この場合は,行政処分と刑事処分の両方の対象となるのです。


具体的には,以下のようになります。

  年利20%を超え109.5%以下の場合
    → 5年以下の懲役,1000万0000円以下の罰金,またはその両方

  年利109.5%を超える場合
    → 10年以下の懲役,3000万0000円以下の罰金,またはその両方




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