取引履歴の開示とは?

2008年09月14日
Q.取引履歴の開示とは?

A.債権者との間のすべての取引の経過の履歴を開示するよう債権者に対して請求すること。 受任通知の送付とともに,債務者との間のこれまでの取引の経過をすべて開示するよう請求するのが一般的である。



取引履歴とは・・・

債務整理をするためには,正確な債権調査が必要となってきます。 その基盤となるのが,それまでの全部の取引を利息制限法の制限利率に直して計算し直す「引き直し計算」です。

引き直し計算をするには,全部の取引の内容を知る必要があります。 日付,貸し借りの金額,利率,遅延損害金等です。

そして,これらを記載した履歴を「取引履歴」と呼びます。 債権者の方から「取引計算書」などという名称で送付されてくることもあります。



取引履歴の開示請求・・・

引き直し計算をするためには,取引経過を知る必要がありますが,それをすべて調査するというのはなかなか大変です。

そこで,債権者取引履歴の開示を求めるのが一番手っ取り早いということになります。

貸金業者等は,それまでの取引をすべて記録しているはずです。 その記録をすべて開示してもらうのです。 取引履歴は,受任通知を送付するときに一緒に請求するのが一般的です。

すでに,最高裁判所判決(これを「判例」といいます。)で,貸金業者等には取引履歴の開示義務があるという判断が示されています。 したがって,貸金業者等は取引履歴を開示しなければならないのです。

貸金業者が取引履歴開示義務に違反して,取引履歴を開示しなかった場合には,慰謝料等の損害賠償を請求できる場合があります。

なお,この取引履歴の開示請求は,別に弁護士等でなくても,債務者本人ですることができます。 ただし,悪質な貸金業者だと,相手が弁護士等の専門家でないということで,いい加減な履歴を開示してくるおそれがあります。

ご自分で請求されるときは,くれぐれも注意する必要があるでしょう。



取引履歴を開示してこない場合・・・

貸金業者等の中には,適当な取引履歴を開示してくるどころか,取引履歴をまったく開示しないとか,一部しか開示しないようなところもあります。

すでに廃棄してしまったなど適当な理由をつけて開示してこないのです。 債務整理における重大な問題の1つです。

貸金業者以外の債権者には開示義務はありませんが,利息の利率が低く引き直し計算の必要がないので,債務残高さえ分かれば,あまり問題になりません。

やはり,引き直し計算の必要があるほど高利で貸付けを行っている貸金業者からの取引履歴の未開示が,もっとも問題となります。

その場合,まずは根気よく開示ないしは再開示を請求していくことになります。 場合によっては,都道府県財務局に行政処分を求めることも必要となってくるでしょう。

それでも開示が完全になされない場合には,債務者の方で一定の資料を用意しなければなりません。

例えば,契約書や請求書などを集める必要が出てきます。 そして,それらをもとに,記憶に従って,取引の経過を再現していくことになります。




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